人口減少・流出の対策で企業誘致?
先日の「市政方針をうけて代表質問に登壇」という投稿は、思いの外、多くの方々に読んで頂けたようです。ありがとうございます。
人口減少・流出の対策で企業誘致していては逆効果だということが、地域の先人たちが外貨獲得に尽力してくれた意味が、しっかり伝わっていました。
遊説の初日から、至るところで、「この地域の課題の真芯を捉えていて希望の光が見えたよ!頑張ってね」、「地元の衆らが頑張ってるのに、なかなか良くなっていかない理屈がよく解ったよ!子どもらのために頼むね」と、力強く握手してくださる方々がおられて、胸が熱くなりました。

明治期から茶業や輸送、港湾など外貨獲得に携わって来られた経営者の方々からも、「常日頃に携わってる仕事と先人たちの尽力が、地域のために繋がってることが、よーく分かったよ!皆んなに伝えとくね」と、声を掛けてくださいました。

首長が提起する「課題と施策」が噛み合っていないとき、憂さ晴らしに非難するのではなく、地元の皆さまが「投票」という形で意思表示して、責任の重みを実物大で背負いつつ、円滑な意思疎通のもとで改善していくことが、憲政の王道であり、地域の先人たちが営々と尽力し確立してきた国際主権の基礎でもあります。

地元の皆さまを疲弊させ、意欲を減退させ、不本意に地域外へ流出させていてはいけない。皆さまの声が、とても心強く感じるとともに、
人口減少・流出への有効な対策が、様々な社会保障や災害対策など地域社会の基礎を支える、皆さまの命を支えることを思うと、責任の重みと皆さまの悲痛な思いを感じて、身の引き締まる思いです。


人口減少・流出への対策として、企業誘致が如何に噛み合っていないかについては、
静岡大学の学術レポジトリに、まさにこの地域を題材として、乗数効果に言及している記述がありましたので、御紹介します。
選挙が終わったら、皆で勉強会をやりましょうね。
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「地域政策にとっては乗数効果が重要である。
新規投資や公共投資による需要増は、地域内で供給される財・サービスに対するさらなる需要を生み、産業間の波及効果を通じて所得と雇用を増加させるからである。
しかし、対象が地元企業ではなく、域外の大企業である場合には注意が必要であろう。
新規投資や公共投資による需要増は初期の段階から域外へ漏出するからである。
企業誘致の実りが少ない場合は、こうした漏出が関係しているかもしれない。地域政策企画立案者は、乗数効果に与える地域特性を分析し、地域の産業基盤を生かすことが必要である。」
出典:『地域別経済指標に基づく静岡SDモデルの開発とその拡張:総括と政策提言』2016, 上藤一郎・山下隆之・高瀬浩二・塚本高士・片岡達也・勝山敏司
静岡大学学術レポジトリ
https://shizuoka.repo.nii.ac.jp/record/8477/files/7-0029.pdf –