静岡県県道32号藤枝黒俣線の復旧状況
静岡県県道32号藤枝黒俣線の復旧状況を現地で確認してきました。
この県道沿線から、地元黒俣の自治会長の柿平さん、島田市川根町笹間地区から、北島さん、岡村さん、中村さんに同行頂きました。
藤枝市役所の庁舎に程近い国道1号との接点を起点、静岡市葵区久能尾を終点とする、この藤枝黒俣線は、県道ですが、静岡市が政令市となったことで、市境の清笹峠から終点の久能尾までを静岡市が管轄しています。
この静岡市の管轄区間において、令和4年台風15号・令和5年台風2号による道路路肩崩落があり、現在、道路災害復旧工事実施中のため、全面通行止としており、令和8年3月末復旧完了予定となっています。

地元の先人によると、この藤枝黒俣線は戦時中に、平野部の迂回路として物資を運ぶことを目的として開通したとのことで、現在も川根本町や藤枝市、島田市、静岡市の各山間部を繋ぐ生活道路であり、下流部の災害による通行不能時には孤立する可能性を低減する道路でもあります。現在は、自転車で散策するルートとして、観光やスポーツなどにも利用されるようになっています。
この藤枝黒俣線の復旧は、これら平時の物流人流、有事の命を支えるための社会基盤でありますし、また崩落状況は土砂が不安定で更なる土砂災害を起こし易く、下流域は伊豆山の事案のような災害可能性がある状況だけに、喫緊の課題です。
自然のチカラを侮ってはならない。改めて、気を引き締めての調査です。

大きな崩落箇所は3つありますが、これら大きな崩落があった地点から着手することで、下流域の危険性除去を優先しつつ、早期の全線復旧に向けて進める。静岡市役所の関係部署の職員の方々や施工事業者の方々が、この課題意識を共有し、尽力して居られる状況が確認できました。
地盤の支えを失った構築物が残存している箇所がありましたので、今後の方針を伺ったところ、残置せず除去し、不安定な崩落土砂を掘り下げ、安定した地盤に基礎を固め、そのうえに道路を構築していくとのことでした。
全般に、地質が脆い箇所は、深層の堅い地層を基礎とすべく、堅実な施工を進めている等、堅実な施工状況も確認出来ました。

山側から土砂や枝葉が路面へと流れ出ている箇所は、路面に溜まった土砂や枝葉が路面上の水流を変え、計画的に水を落とす土質の固い箇所とは別の、土質の柔らかい箇所へと水が落ちることとなり、侵食崩落の要因となるため、その管理について継続して吟味することとしました。
ひび割れを起こし、下方へ沈降している箇所は、洗掘による崩落の要因となる可能性が高いことから、補修を加えることとしました。

私有領域における危険性も把握されていますので、地権者との調整も並行して進めている状況です。これがなかなか難題で、市という立場では私有財産権(憲法29条)を保障しつつでもあり、手を出せない、出してはいけない領域もあります。民法717条で賠償責任を規定していますが、事前のリスク除去責任までは規定していません。
この領域こそ、地元の皆さまに託されている立場の私の力量が問われる領域となります。喫緊の課題だけに、丁寧かつ迅速な調整に取り組んでいるところです。

併せて、太陽光発電パネルが設置されている箇所の状況によっては、崩落の危険性が考えられるので、その現地に立ち寄って、状況を確認して来ました。
これも私有地においての構築物でもあり、地権者が外国企業であることも相俟って連絡や意思疎通がままならない要素もありつつ、手を拱くことなく、各所協力して取り組んでいる状況です。
同時に、法整備についても、地元選出の県会議員、国会議員の方々と協議を進めています。この領域は、主権者である皆さんとチカラをあわせて取り組むこととなります。
地元の皆さんからの総意の指標であり、取組みへの支持の指標でもある、投票率と得票率が推進力となりますので、皆さまから力強く託して頂けるよう、また選挙に限らずシェアやイイネ等を含め、お声がけ頂けるよう、この方面でも尽力して参ります。
上述の通り、令和4年台風15号・令和5年台風2号の爪痕は深く、復旧は現在進行過程でもありますので、下流域の皆さまには、線状降水帯などの気象情勢に注意し、避難等の備えを宜しくお願いします。