南アルプスユネスコエコパークミュージアム M:I の開館

7月12日、旧井川小学校に、南アルプスユネスコエコパークミュージアム M:I が開館しました。

(旧井川小学校 南アルプスユネスコエコパークミュージアム M:I より)

井川地域は、南アルプスを構成する地域そのものであり、また、藁科川の上流部、安倍川の上流部、日本平山頂などから、眺めることの出来る南アルプスへの入り口でもあります。

ユネスコ・エコパークは、ユネスコの MAB:Man and the Biosphere(人間と生物圏)計画の一環であり、保存機能(生物多様性の保全)、経済と社会の発展、学術的研究の支援という、3機能を相互に支える取り組みであり、南アルプスユネスコエコパークは、南アルプスをその構成領域と位置付け、人間の営みと生物圏との調和を担う取り組みです。

(塩見岳:静岡市葵区小河内)

このミュージアムは、運営事業者として選定した株式会社FIEJA(静岡市清水区草薙、代表:永松典子)さんが、その運営に係る具体的な事業計画に基いて、市と基本協定を締結し、賃貸借契約を締結し、土地及び建物等を借り受け、運営事業を実施することとなります。

運営事業者には、豊かな生態系や生物多様性、風景など総体を保全し、地域の暮らしを含めて、自然に学び尊ぶ取組みの一環を担うことが期待されますが、単に委ねるだけでなく、地域の皆さまの主体的関与、参画が重要です。

日本平より南アルプスを眺む

また、単に物的な自然を保全するだけでは、持続性を担保できません。ミュージアムはエコパークを支える手段ですから、ミュージアムの維持運営の先にある、エコパークとしての機能効用を発揮するような工夫として、自然社会資本を確立する一歩であろうと考えます。

また、南アルプスという自然環境は、複数の県に跨る公共財であり、社会的共通資本、コモンズといえますし、私たち地元の公共財というだけでなく、国内外の皆さんの国際公共財でもあります。

私たちは、国内外から託されているといえますので、この国際公共財が、コモンズの悲劇に陥ることないよう、オストロムの指摘した「コモンズの悲劇に陥らないための8つの条件」などに照らしつつ、市民の私たちが見守ることが重要と言えるでしょう。

コモンズの悲劇に陥らないための8つの条件

皆さんも、一緒に学び、参画して頂けるよう、よろしくお願いします。