手揉み茶を堪能させて頂きました
手揉み茶に取り組んでおられる保存会の方々と、茶を手揉みして、煎れました。
手揉みの茶葉は、針のような形になります。ここまで綺麗な仕上がりになるには、相応の修練が要ります。また、茶葉の都合に合わせますので、修練を積んでも仕上がりまでに時間を要するのは同じで、一日仕事になります。

「手揉み」ですから、機械ではなく手で揉むのですが、茶葉を採取するときも、機械や鋏ではなく「手摘み」です。
三煎目の茶葉は、茶樹に萌え出る若葉の形そのものですので、手で摘んだことが判ります。

一煎目は、2gの茶葉に、50℃の20ccの湯を注いで、110秒。二煎目は、60℃で30秒。
一煎目の風味は、日常に飲んで頂いている緑茶とは、まったく異なる、清冽かつ豊潤な風味です。
茶畑の土壌や茶樹の手入れから、茶摘み、茶の手揉み、ここまで掛けられた手間を考えると、なかなか皆さまの御手元にお届けするに十分な量を供給しづらいことは御理解頂けることと思います。

同時に、この過程にこそ、茶を呈する人、服する人へ、その想いへと想いを馳せ、茶づくりを担う原点があり、初心を顧みる基礎がある。この思いから、手揉み茶文化を将来へと繋ぐ取組みを続けています。
湯を沸かし茶をたてて飲む、只それだけも大切でありつつ、携わる人々や、茶を育む風景を想い起こしつつ飲むのも、愉しみの一つなのかもしれません。
手揉み文化の継承に取り組んで居られる皆さまに、そして手揉み茶を心待ちにしてくださる皆さまに、敬意と感謝の気持ちを新たにしました。御一緒頂いた皆さま、ありがとうございました。