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「ふるさと藁科回帰」

静岡市立藁科中学校 「同窓会だより」 平成29年3月1日号より

「ふるさと藁科回帰」

藁科中学校同窓会長 尾崎行雄

春を迎え桜のつぼみも膨らんでまいりました。グラウンドでは芝生が根を活性させ芽吹く準備を進めています。学校でも卒業から新しい環境へ、また進級と希望あふれる季節であります。

日頃は藁科中学校同窓会と芝生を守る会の活動にご理解とご協力を賜り感謝申し上げます。本会では毎年卒業生を迎え入れ、母校の発展に寄与することを目的とし学校活動の後援を行うもので、6年前からは芝生の維持管理に関する支援事業も行っています。同窓生の記録は昭和22年からのものが残り、中藁科中と清沢中から現在の藁科中まで10274名が会員となっています。今年は卒業生の25名が同窓生に加わってくれます。同窓会の組織規約はありますが同窓生が一堂に会する機会はなく、卒業期ごとに恩師を 囲んで集まるといった催しが行われています。 市内一広い芝生の校庭ですが、平成20年から計画と試行が始まり22年に全面へ植え付けて、現在まで緑一面のグラウンドが維持されてきました。散水・芝刈・施肥は生徒と職員が主に行いますが、昨年から冬の刈込み作業は地域の皆様も応援してくれています。守る会創設時の思いは「芝生グラウンドが地域の財産となること」であり、「芝生活動の継続は、ずっと地域にいる地元の方が見届けてくれるという関係を地域と作ることが不可欠。地元の財産としての合意形成が大切で、学校と地域の対等の関係成立が必要」そして「芝生活動により、子どもたちにどう笑顔が広がっていくか。また地域とどうつながっていくのか。その姿を求めていきたい」と当時の校長先生からもお話しをいただきました。この思いは今日まで学校と地域の協力で継承されてきていると言えます。『生い茂る緑の上の体育祭』『手作りの青い絨毯踏みしめる』俳句を作った当時の生徒たちも21歳になっています。これからの生徒にも、この芝生の世話をして使うことで、学校に対する愛着や誇りが生まれ、また自尊感情につながっていくことを願っています。 少子高齢化が進む中で、学校では「学区の過疎化の原因と対策を考える」という授業が行われました。アンケート調査から分析を行い、地域における課題を探り対策を考案する貴重な学習で、農業工場や大学の建設、住環境の向上など率直な意見が交わされました。そんな折に在校生全員にたずねると、大人になっても藁科地域に住み子育てしたいという生徒は8割を超えていました。藁科の良さは子どもたち自身が一 番感じているものです。しかし進学、就職等で一度藁科を離れると、戻る若者は多くありません。私たち同窓生も在校生と同様に、しっかりと藁科地域に向き合い地域づくりを進めていかなければなりません。巣立った子どもたちが「ふるさと藁科回帰」をして、笑顔あふれる同窓生多き地域になりたいものです。 この藁科の地で、行く雲、流れる水を見ながら、いつか芝生グラウンドの青空同窓会が開催されますことを願ってやみません。